妊娠初期の食事で気をつけたいこととは?

妊娠したらママは10か月間の間、自分のお腹の中で赤ちゃんをはぐくみます。
「はぐくむ」という意味は、単にお腹の中で勝手に大きくなるのを待つのではなくて、健やかな体を作るお手伝いをすることが必要なのです。

 

そして、妊娠初期は、赤ちゃんの身体が作り上げられる大事な時期でもあり、ママは赤ちゃんを元気に大きく育ててあげるための栄養を食事からしっかり摂ることが必要なんです!

 

でも、妊娠が始まると「つわり」もあって食べることができなくなってしまうと、赤ちゃんへの影響を考えて悩んじゃうママもいるんです・・・。
そんな妊娠初期に、しっかり食べるべきものと、食べるための工夫を紹介していきましょう。


食べるべき食物とは

赤ちゃんをはぐぐむために、何をどれだけ食べなさい、とあるとひたすらそれだけを食べるママがいます。
しかしそれではダメ。また、何グラムかを毎日測って、カロリーを計算して、なんてやっていても長続きもしませんよね。

 

お腹に赤ちゃんがいるからと言って栄養の摂り方はかわりません。
人間の身体は、6つの基本的な栄養素を摂ることで保たれるため、それを守るようにしましょう。


摂るべき栄養素は、たんぱく質・炭水化物・脂肪・ビタミン・ミネラル(カルシウムと鉄分)・水、で、2割程度のたんぱく質、5〜6割程度の炭水化物、2〜3割程度の脂肪、そしてビタミンとミネラルを摂ります。

 

良質のたんぱく質を多めに

妊娠初期は、赤ちゃんの細胞が活発に増殖して、体の組織や内臓が作られていきます。
その細胞を作るときに必要になるのがたんぱく質の中に含まれるアミノ酸です。特に必須アミノ酸は赤ちゃんの身体を正常に作る働きをしてくれますが、体の中で作り出せないので、食べ物から摂るしかありません。

 

必須アミノ酸は卵、牛乳、乳製品、魚、肉(牛・豚・鶏)、レバーなどの良質の動物性たんぱく質に多く含まれています。
全粒粉や大豆などのマメ科の植物性たんぱくも良いタンパク源ではありますが、必須アミノ酸がほとんど含まれないのです。


ですから、ベジタリアンなどと言わずに、全粒粉パンにチーズやミルクを一緒に食べる、というように組み合わせて上手に食べましょう
妊娠すると1日100グラムのたんぱく質が必要ですが、もし、つわりのせいでほとんど食べられないことがあったとしても、深刻に考えずに食べられるものを食べるようにしましょう。

 

炭水化物は血中糖度の上がりにくいものを

炭水化物は、毎日のカロリーの半分をまかなうエネルギー源です。


ただ、炭水化物には白砂糖に代表される甘い糖質の単糖類と、パスタやじゃがいもなどの複合多糖類があります。
単糖類は、血液にすぐ吸収されて血液中の糖の濃度が急激に上がり、すぐに使われて急激に下がる傾向があり、身体にとって良いとは言えません。果糖であればもう少しゆっくりな動きをしますし、複合多糖類であれば分子が大きいので血中濃度が上がりにくいので、妊娠中のママには複合多糖類がオススメです。

 

良質な脂肪を摂りましょう

良質な脂肪はエネルギー源であるとともに、脳や神経組織を形成する働きをします。


その脂肪とは、魚の油・ナッツ・アボカド・植物油(オリーブ・キャノーラ・亜麻など)です。肉の脂も良いです。
逆に避けてほしいのは、水素添加物とか水素化合と書かれている食品に含まれる油です。
また、特別なコレステロールは幼少期や妊娠中に子供の脳の発達や、妊娠中のホルモンの形成を助けます。
脂肪によるカロリーは、一日のカロリーの2〜3割に抑えましょう。

 

ビタミンも種類豊富に

妊娠すると必要となるたんぱく質やカルシウムの量は増加します。でもビタミン量は少し増えるだけ。ですから、ヘルシーでかつ、バランスが良ければ、特に量を気にせずとも必要量が摂取できます
ただし、気をつけてほしいのは2種類で、葉酸とビタミンAです。


妊娠前も妊娠中も、一番肝になる栄養素は「葉酸」。赤ちゃんの細胞分裂を促進してくれる働きをするため、妊娠前から既に準備しておくことで赤ちゃんの初期の身体の形成を活発にしてくれる栄養素です。
そのため、妊娠前から妊娠12週までに葉酸を摂取していると、赤ちゃんの神経管閉鎖障害や奇形のリスクが減ると言われています。
厚生労働省でも、妊娠中は1日480マイクログラムの葉酸を摂るように推奨しています。葉酸を含む食品としては、葉野菜、豆科植物、インゲン、ブロッコリー、レバー、黄色い色の濃いフルーツや野菜などです。


ビタミンAは摂り過ぎ(1万IU以上)ると、口唇裂が発生する確率が5倍になるので気をつけて。ただし、ビタミンAは、油などと一緒に加熱するとカロチンに変化するので、食べ方に気をつければ大丈夫ですよ。

 

カルシウムも大切

妊娠初期には、赤ちゃんはカルシウムで骨格や歯を形成します。カルシウムを摂らないとお母さんの骨からカルシウムを奪って赤ちゃんの骨として使われるので、ママの骨が弱ってしまいます
必要なカルシウム量は妊娠前の約2倍だと思ってください。
赤ちゃんの2か月目ごろから骨や歯が形成され始め6か月目までには倍になるほど成長します。また、1日に1500mg〜2000mgのカルシウムをきちんと摂っていると60〜70%の割合で高血圧や妊娠中毒症にならないという研究成果も報告されています。

1日に1600mgを摂ることを目標に、良質のたんぱく質である牛乳や乳製品、小魚、海藻などは積極的に摂りましょう。特にヨーグルトはカルシウムを多く含むのでカロリーの少ないものを選んでしっかり食べましょう。

 

ビタミンは流産を予防する!

妊娠初期に心配なのは流産ですよね。


流産になる原因には、精神面や生活面での影響以外にも、食事の摂り方でも問題があるということを知っていますか?
特にビタミンBとEは不足しないように注意する必要がありますし、消化の良くないもの、刺激の強いものを避けて、下痢や便秘にならないようにすることが大切なんです。
それに妊娠した時には、赤ちゃんの分も血液を作らなけれいけないので鉄分が必要になります。鉄分は健康な血を作るのに使われ、活力の元になります。普段の食事では少なくとも一日60mgの鉄分を摂ることが理想ですが、十分な量の鉄分を食事からだけで摂るのが難しければ、サプリメントなどを上手に活用してください。
鉄分を摂るときには、一緒にビタミンC(レモンやイチゴなど)を一緒に摂ると鉄分の吸収を助けてくれます。逆に牛乳は鉄分の吸収を妨げるので、食事の際には牛乳や紅茶、コーヒーは避けましょう。

 

塩分は過度に気にする必要はない

妊娠中は手足がむくみやすいのですが、その原因は塩分だと言われてきました。でも、最近塩分ばかりが原因ではないことがわかってきました。


赤ちゃんの分の血液や羊水の水分を保つために、妊娠前の2倍の水分量を保たなければいけないのですが、塩分は体の水分量を適切に保ってくれます
塩を使う時には、海の塩ではなく、ヨウ素添加食塩を使うことで甲状腺ホルモンの欠乏を防ぐこともできます。

 

水分が大切

赤ちゃんができると、ママの体の水分は40%以上も増えます。水分をたくさん飲むことで、老廃物をスムーズに排出することができるようになります。トイレの頻度は増えてしまうかもしれませんが、1日コップ8杯以上の水分を飲むようにしてください
アルコールやカフェイン入りの飲み物は極力避けて、水やジュース、スープなども使ってしっかり水分を摂りましょう。
つわりで水分が摂りにくい時には、凍らせて氷をナメてもいいですよ。

つわりがあっても食べるための工夫

妊娠初期につきものなのが「つわり」
妊娠2〜4か月ごろの「つわり」で思ったように食べられなくて、赤ちゃんの成長を心配するママもいます。
でも、食べられなくても赤ちゃんの成長に大きく影響することはないんです。逆に、心配し過ぎはママのストレスになって、赤ちゃんのためにも良くないです。

  • まずは食べられるものを少しずつでも食べよう!
  • 葉酸などの栄養はサプリメントを活用し不足を補いましょう!

とはいえ、何か食べないとママの身体もつらいですよね。
つわりの時の食べ方のポイントをまとめてみました。

食べ方のポイント

具体的には

あまり空腹にしない つわりは、空腹になると気持ち悪くなります。ですから簡単に食べられるものを用意しておいて、少しずつ何回かに分けて食べるようにします。
おすすめ料理

あっさりしたもの、酸味のあるもの、水分の多いもの、ニオイの無いもの、冷たいもの、などがつわりの時にも食べやすいものですから、好みの合うものを探しましょう。
ただし、冷たいものは身体を冷やしすぎないよう注意してください。

水分はしっかりと摂る

つわりで何度も嘔吐する場合に、注意したいのが水分不足です。水分が不足すると脱水症状になって、更につわりの症状がひどくなります。
ほうじ茶、麦茶、ハーブティー、ルイボスティーなどカフェインレスの飲み物で水分を摂りましょう。

栄養バランスは堅苦しく考えずに1日全体で合わせる

食事を摂る際に、毎食栄養バランスをとるのは大変です。
1日何回か食事をする中で栄養素が揃うことを考えて食べましょう。

 

 

つわりで苦しい時の対処法

「つわり」苦しいですよね。
そんな時にどうすればいいのかは、人によって違います。
ママが苦労しているつわりに、参考になる対症法をまとめてみました。

 

胃もたれ・ムカムカ・吐き気 

 目覚めのバナナ(つわりを緩和するビタミンB6)
 トマトでスッキリ(クエン酸やリンゴ酸が胃のムカムカを抑えます)
 みぞおちを温める(ホットタオルをみぞおちに当て温めてみましょう)
 ガムを噛む(空腹しのぎになります)
 胃を圧迫しない(背もたれを倒せるリクライニングチェアなどでゆったりとした姿勢が楽です)
 肩甲骨の間を温める(肩甲骨の間を温めると血流が良くなります)
 胃を伸ばす(正座をして、両手をお尻のやや後ろに付き胸を反らせて伸ばすと、血流が良くなり胃もたれやムカムカが楽になります)
 太ももを伸ばす(仰向けに寝転んで片足ずつのかかとをお尻に付けるように曲げます。)

 

食べづわり

 キュウリ・大根・ニンジンのスティックをかじる
 温かいお茶を食べる前に少しずつ飲む
 レモンのハチミツ漬けで口の中をサッパリさせる
 小さなラップにおにぎりを作っておくと便利です

 

食欲不振

 梅干しは胃腸の働きを活発にし、食欲を増進させます。1日1個がオススメ。
 ショウガを使うと消化や血行を促進させます

 

つばが出る

 レモン水でうがいすると、酸味が口の中をサッパリさせてくれます。
 食パンを食べると口の中の唾液を吸い取ってくれます。

 

 

妊娠中期になると、つわりも収まってきます。
でも、食欲が出てなんでも食べられるようになるので急激に太ってしまうことがあります。体重に気をつけ、コントロールして太り過ぎないように注意してくださいね!


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