妊婦の必須成分「ビタミンB12」

ビタミンB12は、「造血ビタミン」とも呼ばれ、葉酸と一緒に摂取することで赤血球の中のヘモグロビンを作り出す作用があります。
ビタミンB12は、植物性の食品にはほぼ含まれないため、厳正な菜食主義者は不足する傾向があります。


ビタミンB12の必要性

ビタミンB12と葉酸を組み合わせて摂取することで、子供の脊椎や中枢神経系の成長が促されて、先天性欠損のリスクを減らしてくれるということが、アイルランドのトリニティカレッジの分子医学研究所の研究によって報告されています。
この神経管欠損症は、1000人に1人の割合で発症する症例ですが、妊娠前から葉酸の摂取によりリスクを72%も減らすことができ、ビタミンB12が加わるとさらにリスクが減少すると考えられています。逆に、葉酸もビタミンB12も不足すると、リスクは3倍になると考えられています。


また、妊娠前にもビタミンB12は大事な役割を果たしていることがわかってきています。卵巣や子宮の細胞の成長に大きく関与する働きがあり、ビタミンB12が不足すると受精卵が着床後すぐ流産しやすくなるという原因になっているそうです。ですから、妊娠を計画している方は、妊娠前から積極的にビタミンB12を摂取することが大切です。さらにはビタミンB12は、男性の精子を作る際にも使われることもわかってきており、旦那様と一緒にしっかり摂取するようにしましょう。

不足するとどうなるの?

ビタミンB12は、血液を健康に保ち、神経細胞を正常に保つ効果があります。また、睡眠リズムをコントロールするメラトニンの分泌の調整や、たんぱく質の代謝や糖質・脂質からエネルギーを生み出す働きもします。
そのため、このビタミンB12が不足すると、貧血になるおそれがあり、それ以外にも疲労、体力低下、便秘、食欲不振、体重減少、手足のしびれやチクチク感などの神経症状が起こることがあります。それ以外にも平衡感覚障害やうつ病、記憶力の低下の原因になることもあります。
また、母体だけではなく生まれた後の乳児にも影響することがあります。ビタミンB12は胎盤を通じて胎児に補給されます。しかし、動物性食品をまったく摂らない母体から、母乳だけで育てられるとビタミンB12が欠乏し、乳幼児の発育障害、運動障害、成長遅延、居赤芽球性貧血の原因となることもあります。巨赤芽球性貧血とは、赤血球が正常に作られずに、容積が大きくなり酸素の運搬能力が低下することで起こる貧血症状です。

どれくらい摂ればいい?

妊娠中には、ビタミンB12だけではなく、葉酸と一緒に、葉酸は1日400μg、ビタミンB12は1日2.8μgを摂るようにしましょう。一緒に摂ることで吸収率を高めることができます。
平成21年の国民健康・栄養調査によれば、一般女性の平均摂取量は1日に1.03rです。
ただし、ビタミンB12は摂りすぎても、余剰分は体から自然に排出されてしまいますので、安心してください。

 

ビタミンB12は、植物性の食品にはほぼ含まれていません。

  • 魚介類:かき、しじみ、さんま、あさり、ほっき貝など
  • 肉類:牛肉レバー、鶏レバー、豚レバーなど
  • 乳製品:チーズ、牛乳など
  • 豆製品:納豆など

ビタミンB12は、光や空気に当てると参加しやすいため、食材を冷凍保存する場合にはしっかり密封しましょう。

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