妊婦の必須成分「ビタミンB6」
ビタミンB6とは、水に溶ける水溶性ビタミンの一つで、食品に含まれるたんぱく質からエネルギーを作り出したり、筋肉や血液を作り出すサポートをします。その効果は、皮膚や粘膜を丈夫に守り、特に妊婦にとってはつわりの原因になるアミノ酸の代謝不良を正常にする働きをするため、積極的に摂りたい栄養素です。
ビタミンB6の必要性
妊婦に起こりがちなトラブルにむくみがあります。ビタミンB6はそのむくみに効果があると言われていますが、やはり一番の効果はつわりの軽減です。つわりに対しての効果を述べる論文もあるのですが、アミノ酸の代謝を正常に維持することはわかっているのですが、それがどういう仕組みで軽減するのかまでは詳細にはわかってはいません。
しかし、実際につわりで病院に行くと、ビタミンB6の点滴を行うため、その効果は実証されていますので、試してみる価値はありますよね。特に重いつわりほど効果があると言われています。妊娠中には特に意識してビタミンB6を摂取するように心がけたほうがいいでしょう。
どれだけ摂取すればいいのか?
身体に良いとわかるとそれだけを重点的に食べたり飲んだりする人がいますが、良いものだって一日の適量範囲というものがあり、過剰に摂取しないよう注意することが大切です。
ビタミンB6は積極的に摂取したい栄養素ですから、不足せず、過剰にならないように、上手に摂取しましょう。
妊娠した時の摂取目安は、1日に1.7〜2mgです。長期間過剰摂取をすると、神経障害(しびれ)・光過敏症・シュウ酸腎臓結石などのリスクが高まりますので、1日に45r以上摂らないように注意しましょう。
ビタミンB6は、牛・豚・鶏のレバーや、マグロ・かつおなど赤身の魚や、木の実類などにたくさん含まれており、動物性、植物性に関わらず多くの食材から摂ることができます。ただし、妊娠中はレバーや青魚は摂り過ぎは注意ですし、マグロなどは非加熱のまま食べるのは控えたほうがいいです。
また、ビタミンB6を有効に働かせるにはビタミンB2が必要になります。ビタミンB6は水溶性ですから、働かないままだと体外に排出されてしまいます。せっかく摂取したビタミンB6なのに使われないまま排出するのはもったいないですから、ビタミンB2も合わせて摂るようにしましょう。
ビタミンB2を多く含む食材とは、しそ・モロヘイヤ・焼きのり・乾燥ヒジキ・魚肉ソーセージ・アーモンド・ゴマ・納豆・大豆・味噌などです。
モロヘイヤやきな粉などは、ビタミンB6とB2の両方を含んでいるので、うまく取り入れてしっかりと食べたい食材です。
不足するとどうなるの?
ビタミンB6が不足すると、妊娠高血圧症候群になりやすいと言われています。
それ以外にも、口内炎(口角炎)・貧血・むくみ・つわり症状の悪化が現われる可能性が高くなります。
しかし、つわりで苦しい時に食事で摂ることは難しいもの。そんな時はサプリメントで補うことも考えてもいいでしょう。ただし、過剰摂取は気をつけましょう。また、たとえビタミンB6が摂取できなかったとしても、摂取できた妊婦とできなかった妊婦の赤ちゃんには差が無いそうなので、食べられなくても気にしすぎないようにしてください。
でも、つわりは苦しいので、できるなら軽く済ませたいですよね。